「コロレ」別館

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『(表巻き)ロールケーキ』;「割らない」ための【巻き方】・『両端合わせ式成形』

引き続き、

割れない「(表巻き)ロールケーキ」作りの考察

”表巻き”に( )が付いているのはなぜかと言うと、
今回登場するココア生地は表巻きぢゃないからです

 

先日は横から巻き上げる成形方法をご紹介しましたが・・・・・

pour-les-petits.hatenablog.com

 

ココアなど、粉モノの副素材が入るシート生地ですと

プレーンなものに比べて若干伸びが悪くなる傾向があるようで・・・

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結構な確率で、

割れてしまうことがあります

この時↑は、クリームを欲張りすぎた、という意見も、ある

 

こういった生地を丸く成形する際には、

とにかく、

「全体に、均等に、曲がることで生地にかかるストレスを分散させる」

ことが、キモになります

 

そこで本日は、その方法を具体化した、

『両端合わせ式成形』

の、ご紹介。

 

ちなみに、この巻き方は、果物などを巻きこんだ

「クリームたっぷり&フィリング入りの、ロールケーキ」

にもおススメの方法になります

 

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まずは、  

【クリームの置き方】

から・・・

 

先日の「巻き上げ成形」では、

フラットな状態にクリームを置くことをポイントとして書きましたが・・・

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今回は包むように巻き上げるので、

途中に山を盛る方法も可です

むしろ、
そいういった場合のための巻き方と、言っていいと思う

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上の写真では栗の渋皮煮を四つ切りにしたものを置き、

生クリームで栗の隙間を埋めてあります

この状態で、26㎝×21㎝のシート生地に
生クリーム約170g、渋皮煮約50gがのっています 

栗の周りはやや凸凹した仕上がりですが、

クリームは、なるべく平らに塗る方が

カットした時に穴が開くリスクが無く奇麗に仕上がる、

という点については、どの巻き方も一緒です

 

クリームを塗った後は、

【巻き上げ】

です

 

今回はアルミバー2本を使って、

両端を持ち上げ、形を作っていきます

アルミバーについてはこちらの記事をご参照ください

 

それでは、生地の準備から、巻き上げ完了まで、

一気に写真を並べてみます

 

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片方の端を斜めにカットしておく(カットした側を「巻き終わり」とします)
こうしておくと、成形後の座りが良いのでおすすめ

巻紙は巻き終わりの側を幅広に取っておくと良い

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クリームを置く

ココア生地は、敷き紙側のほうが生地肌がきれいなので、
裏巻き(焼き色面を内側にする巻き方)にしました

この時、焼き色部分残したまま作業する方が、
クリームが汚れず、きれいに仕上がります
(ヘタに焼き色面をはがすと、クリームにスポンジくずが混ざります)

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クリームを平らに均す

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フィリングを置く
生地の中心より、やや巻き終わり側に並べると、巻いたときに真ん中に来ます

今回は、栗の渋皮煮を1/4にカットして使用

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フィリングの隙間を生クリームで埋める

こうしてみると、
先に生クリームを盛ったところへ、フィリングを置く、という方法の方が

効率が良いかも・・・・・?

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巻紙の下にアルミバーをセット

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巻紙の余白部分をアルミバーに巻き付ける

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アルミバーをゆっくりと持ち上げつつ、生地全体に曲げる力をかけていく

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斜めにカットした側の下に、もう一方の端を入れ込んで閉じる
軽くクリームを押さえるような感じで、形を整える

この時点で、「クリームが多すぎた~!」と、なった場合は、
一旦、生地を開いて、クリームを取り除く、という荒業が使えます
 

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巻き終わりの側に倒す

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一度締めて、形を整える

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生地の継ぎ目が真下あたりにきているか、横から確認
ずれているようなら、全体を回転させて調整

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今回はちょっとだけ巻き終わり側にずれていたので、
回転させて、生地の継ぎ目を中央に移動

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巻紙を一旦はがし・・・・・

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シワ防止のためのオーブンシートを掛け・・・

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もう一度巻紙で巻いて、形を整える

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全体をラップでくるみ、トヨ型をかぶせる
写真は全体をひっくり返して、トヨ型に押し込んでいるところ

ラップだと途中で引っかかるので、次回は紙を一枚かまして入れこむ予定

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この状態で、冷蔵庫で1時間以上休ませて、完成!

と、このような形で巻き上げることもできます

 

 

ところで、

今回のココア・スポンジ生地ですが、

生地の厚さを測ったら2cmちょっとありました

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端の部分は、焼成後の縮みが比較的少ない場所なので、

シート生地の中央はもう少し薄いかも知れませんが・・・

 

これだけぶ厚い生地を、トラブルなく、

コンパクトに巻き上げることができている、というのは、

まあ、中々なんじゃないかと、自画自賛

 

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まだまだ、修業は続きます・・・・・

現在は、ココア生地の、ココアのダマ改善方法を模索中。 

 

 

   

『表巻きロールケーキ』;「割らない」ための【巻き方】・『巻き上げ式成形・横からバージョン』

引き続き、

割れない「表巻きロールケーキ」作りの考察

 

本日は、

『巻き上げ式成形・横からバージョン』

の、解説。

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まずは、  

【クリームの置き方】

から・・・

 

ところで、 

共立て生地といえば、

『クリーム、たっぷり♪』

しかしながら、よくよく考えてみると、
クリームたっぷりだと、巻きが緩くなりますよね

共立て生地でクリームたっぷりレシピが多いのは、
割れやすい生地に、負担をかけないための策だったのかも・・・?と思わなくも、ない

 

生クリーム多めで巻く場合、

その置き方(塗り方?)として色々なパターンが紹介されていますが、

『巻き上げ式成形・横からバージョン』の場合、個人的には、

均一に、たっぷり塗る

という方法がおすすめです

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↑ 硬めに泡立てたホワイトチョコ入り生クリームが、
 26㎝×21㎝のシート生地に約250gのっています

左側が巻き始め、右側が巻き終わり
ちなみに、巻き終わりを斜めにカットしておくと、成形後の座りが良いのでおすすめです

巻き始めの部分は、クリームがもたつくので少し角度をつけて少なめに、

巻き終わりの部分は、押されたクリームが流れてくることを想定して

徐々にクリームを少なくしてあります

 

ここでのポイントは、クリームをできるだけ平らに均すこと

表面がガタガタしていると、巻き上げたときに隙間が空いて、

途中の切り口に空洞が出来ることがあります

 

この作業で便利なのが、硬めのスケッパー

パレットナイフよりも断然、使いやすくて、おすすめ!

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使用方法はこちらの動画↓が参考になります

youtu.be

 

『巻き上げ式成形・横からバージョン』の場合に限る話になりますが、 

クリームの置き方で、

これまで試してみて、逆効果だったのが、

途中で山を作ったり、畝を作ったりするクリームの置き方

 

巻き上げの際、

クリームが薄い部分と厚い部分との境に無理な力がかかり、

生地が割れやすくなります

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↑ 中ほどにクリームで山を作る方法
 巻き上げ時に、青矢印あたりの生地が折れやすくなり、ひび割れの原因に・・・

この方法は、クリームを超超たっぷり乗せることができる

素晴らしいアイデアだとは思うのですが、

『巻き上げ式成形・横からバージョン』のように、

ぶ厚く、割れやすい生地を

一方向から巻き上げるタイプの成形では

やらない方が無難です

  

  

クリームを塗った後は、いよいよ最終工程

【巻き上げ】

です

 

横から巻き上げる際に、私が使っている便利道具が、

パレットナイフと、アルミ製フラットバー(2.5cm幅×45cm長・厚さ1mm)

そして、滑り止めシート

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アルミ製フラットバーはホームセンターで購入可能
この作業をする際の道具として、私にはこれが一番使いやすく感じています
ものさしでも代用可能ですが、
長くて、硬さがあり、幅が広すぎず、変な角度が付いていないものが使いやすいので
プラスチック製の定規より、裁縫用の竹尺の方がおすすめな気がします

滑り止めシートには、シリコンまきまきウェーブという商品を使っていますが、
じゅうたんなどの滑り止めシートで十分代用可能です

これらを使って、横からの巻き上げを行います

それでは、生地の準備から、巻き上げ完了まで、

一気に写真を並べてみます

 

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敷き紙をはがす

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巻き終わりを斜めにカットしておく
巻き終わり側の巻紙を幅広で残しておくことも、細かいポイント


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クリームを置く

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クリームをある程度平らに均す

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スケッパーを使い、クリームの表面の凹凸を無くす

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アルミバーに敷き紙を巻き取り、ゆっくりと生地を持ち上げる
ここから先の作業では、生地の一点に力がかかりすぎないように加減を見つつ、
ゆっくりと作業するのがコツ

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パレットナイフで巻き始めの生地の角を押さえ、ゆっくりと曲げていく

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引き続き様子を見つつ、パレットナイフで生地を曲げるように内側に入れ込んでいき
アルミバーの方は徐々に持ち上げる感じで生地の曲がりを助ける

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巻き始めの生地を、パレットナイフで端から端まで、きちんと内側に収める
巻き始めの生地の位置が決まったら、アルミバーを巻き上げ方向にゆっくりと傾け・・・

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残りの生地を巻き上げる

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ここで一度、全体を締めて形を整える

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生地表面に紙のシワがつくのを防ぐには、
「ふやけないもの」をあてがう必要があります

私はこの時点で一旦巻紙をほどき、オーブンシートをかぶせています

 

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↑紙で巻いたままにしておくと、このようにシワが入ることがあります

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横から巻き具合を見て、巻き終わりの継ぎ目が真下にきていることを確認!

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個人的にキリッと締まったドーム型が好きなので
巻き上げ後、休ませる際にはトヨ型に入れています

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冷蔵庫で1時間以上休ませて、出来上がり!

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さて、いかがでしょうか?

 

わたし的には、

この方法であれば、

共立てのぶ厚い生地でも、プレーンなものであれば、

割れることなく、希望する形に巻き上げることが出来ています

 

ただし、ココア入りの生地のように、

硬く、伸びの無い生地となると

生地への負担が更に少ない巻き方が求められます

 

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次回はこのような硬い生地におすすめの、

「両端合わせ式成形」をご紹介します

※重ねて注記しますが、私が勝手につけた名前です

 

 

   

『表巻きロールケーキ』;「割らない」ための【巻き方】いろいろ

引き続き、

割れない「表巻きロールケーキ」作りの考察

 

これまでの記事は・・・

- 『表巻きロールケーキ』;「割れない」生地作りの、コツ

- そもそも、なぜ、『表巻きロールケーキ』は、「割れやすい」のか

- 『表巻きロールケーキ』;「割らない」ための【焼成】と【焼成後の扱い】

 

本日は、

クリームを塗って、

いよいよ巻き上げに入ります

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と、その前に・・・

 

一般に、

ロールケーキの成形と言えば・・・

 

『巻き上げ式成形・手前→奥側バージョン』

http://www.cuoca.com/library/categorysweets/rollcake/img/kihonsampl_08.jpg
手作りお菓子とパンの専門店CUOCA;基本のロールケーキ | お菓子づくりのきほん  より

 

人によっては、

『巻き上げ式成形・奥側→手前バージョン』

http://www.nichireifoods.co.jp/enjoy/happy/img/detail_66/pic_step_03.jpg
ニチレイフーズこどもが喜ぶHAPPYごはん®-簡単ロールケーキ より

 

などがありますが・・・・・

 

私が作っているような、

サイズが小さく、

ぶ厚い生地で、

クリームたっぷり

となると、

割れたり、

クリームがはみ出したり、

形がおかしかったり、、、、、

と、

普通の巻き上げ方法では

なかなかうまくいきません

 

そこで、

ご提案する巻き方が、二通り。

 

『巻き上げ式成形・横からバージョン』

『両端合わせ式成形』 

※注!;私が勝手に命名した成形方法です

 

『巻き上げ式成形・横からバージョン』

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【特徴】

・生地が分厚く、クリームがやや多めのレシピに有効

・パレットナイフで巻き始めの生地を押し込むので、仕上がりの形が整いやすい

・生地を曲げる力がかかる部分がやや偏る(硬い生地のときには割れることもある)

 

 

『両端合わせ式成形』 

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【特徴】

・生地が分厚く、クリームが多めで果物等の入るレシピに特におすすめ

・曲がる力を生地全体に分散できるので、かなり割れにくい

・生地の両端を閉じた後、転がして締める作業に若干の慣れとコツが要る

 

いずれも、

切り口が渦巻きになるような成形には向きませんが・・・・・

 ←このようなロールケーキは普通に巻くほうが早い・・・?

 

これら二つのやり方は、

何度も巻き上げに失敗しつつ、

試行錯誤を繰り返した末に、たどり着いた方法です

 

とにかく、テクいらずで、簡単!

クリームがたっぷり入る、

巻きの緩い共立て生地の成形には

かなりおすすめ

できる巻き方だと思っています

 

それぞれの巻き方に対し、

おすすめのクリームの置き方と

用意すべき道具に特徴がありますので、

次回は、

『巻き上げ式成形・横からバージョン』

 について、ご説明してみようと思います