引き続き、
表巻きロールケーキ作りの、話
これまで、
- そもそも、なぜ、『表巻きロールケーキ』は、「割れやすい」のか
について、考えてきました
今回は、
焼成から巻き上げ直前まで、
について、考えてみようと思います
まずは、
【焼成】
私が参考にしているレシピでは、
28cm×28cmの天板に、全卵240gを使用し、
「200度で余熱、180度に下げて、11分から12分焼成」
となっています
参考にしているのはこちら↑の本の「純生ロール」
ですが、
レシピ本の通りに行かないのが、お菓子作りの常・・・
とりわけ『焼成』については、特に。
と、いうことで、
温度と時間を、
オーブンに合わせて、微調整。
我が家で使用しているのは、デロンギのコンベクションオーブン
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諸々の事情から出した結論は・・・・・
- 245度で余熱
- 下段、コンベクション切(送風機能を使わない)
- 200度で7分焼成後、コンベクを入れて1分30秒
→ その後、反転して、コンベクを入れたまま2分焼いて、終了
(焼成時間は合計11分弱)
とまあ、
このような感じで焼いたものが、
こちら↓です
もう少し焼き色が全体的に均一にならないか、研究中。
ちなみに、オーブンシートが型より高いと上の写真↑のように端っこが焼き縮みするので、
最近ではわざと少しだけ型に張り付けるように焼いて、焼き縮み軽減を図っています
結構、効果アリ!
「オーブン」は、
熱源の違いや、メーカー、機種等々で、
かなり勝手が違いますので、
焼成温度や焼き時間のアレンジは、大抵の場合、不可避です
では、どうするか。
ロールケーキ用のシート生地の場合、
型が大きくなっても、生地の厚みは大抵同じなので、
天板の大きさにかかわらず、だいたい12分前後で焼成を完了させるように
温度や位置、機能の設定等をすると良いようです
やはり、焼きすぎると生地が乾燥して硬くなりますので
巻いたときに割れやすくなります
一般の焼き菓子は、
焼き色の濃さ(生地の焦げ具合)が、焼き上がりの一つの目安となりますが、
ロールケーキ用生地をレシピ通りの温度で焼いている場合、
仕上がりを焼き色で判断してしまうと、焼き過ぎてしまう傾向にあります
焼き色を濃くしたい場合には、
焼成時間を長くするのではなく、
焼成温度を上げる方が、よいでしょう
参考にするレシピが指定する焼成時間内に理想的な焼き色になるように、
少しずつ設定温度を上げて、様子を見る方法がおすすめです
理想的な焼き色に至るまでには
何回も焼成して、試作することになります・・・
【焼成後の扱い】
さて、
生地が焼き上がったら、
そのまま粗熱を取ります
この時、きちんと余計な水分を蒸発させ、生地を少し軽くしておくことも
大事なポイント!・・・・・と、私は思っている。
30分くらい後、
生地表面に熱を感じなくなったら、
「焼き色をはがさない裏ワザ」でお話したように、
泣かない粉糖を少量振りかけ、全体を薄く化粧します
その後、
生地を完全に冷やすために休ませるわけですが、
この時、
巻き上げの際に表に来る側を下にして生地を休ませる
(今回は表巻きなので、焼き色側を下にする)
というのが、今回お伝えしたい最大のポイントです
具体的には、
こんな感じ↓です
分かりづらいですが、上面に見えているのは敷き紙代わりのオーブンシート
型から取り出したまま、敷き紙は、はがしていない状態の生地を
オーブンペーパーの上にひっくり返し、焼き色面を下にしています
そして、全体をビニール袋にIN! これで、カンペキ♪
なぜ、ひっくり返して休ませるのかというと、
生地中の水分を、外側に来る面に下ろす為、
です
イメージ的には、
こんな感じ↓
※ あくまで想像で描いたイメージ図です
上の図は、あくまで、私個人の脳内実験によるイメージの産物なので、
科学的根拠があるわけではないのですが、
シート生地中の水分について語っている人もあまりいないですし・・・
「焼き色面を上にして休ませる方法」から、
「焼き色面を下にして休ませる方法」に変更してから、
わたし的には、割れ・ひび割れが無くなったので、
そこそこ効果が見込めるおススメの方法だと、
個人的には、思っています
「巻き上げの際に外側に来る面を下にして休ませる」、というのがこの作業の趣旨です
したがって、裏巻き(焼き色面を内側にする巻き方)にする場合には
通常通り、焼き色面を上にした状態で休ませることになります
ですので、裏巻きでつくっているココア生地のロールケーキの場合、
泣かない粉砂糖は振らず、焼き色面を上にして休ませています
さて、
この状態で、生地を十分に、冷まします
私は午前中に生地を焼いて、
だいたい5時間後の夕方巻き上げています
生地が落ち着いたら、
いよいよ、クリームを塗って、
最終工程の「巻き上げ」を行います
次回は、
「割らない」ための【クリームの置き方】と【巻き上げ方法】
について、考えてみたいと思います